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ノスタルジックなセピア色が多数登場、象徴的に髪が貼られた招待状も。2024-25年秋冬 コレクションの招待状【3】

2024年4月30日

コレクション取材中に、各メゾンから藤岡篤子の元へ届くショーへの招待状(インビテーション)。
時代の様相を象徴的に伝えてくれる招待状ですが、2024-25秋冬コレクション取材中に、藤岡の手元へ届いた招待状のなかから、4つのテーマに分けてご紹介しています。

第3回目は、
セピア色やダークカラーを用いたもの、歴史ある建物や古代芸術をモチーフにしたものなど、
どこかノスタルジックな招待状に注目!
 

TOD’S(トッズ)は、
新クリエイティブ・ディレクターに就任したマッテオ・タンブリーニが、ミラノを象徴する歴史ある路面電車の車庫で、デビューショーを開催。
招待状へも、歴史ある車庫の内装がセピア色で写し出されていました。
ACT N1(アクト・ヌメロウーノ)はネガフィルムの上に直接白い文字を載せたデザイン。
今季は多くのメゾンで、ダークカラーやセピア色の招待状が目立ちます。
 

 
DRIES VAN NOTEN (ドリス ヴァン ノッテン)
今季のショーの直後、ドリス・ヴァン・ノッテンが自身のブランドから去ることをアナウンスしました。
惜しまれつつも、ウィメンズでは最後のショーとなった今季。
プレスリリースが 「彼女は、思い切って前髪を切った ─」という一文から始まる通り、
今季のインビテーションにはカットされたブロンドの髪が貼られていました。
アトリエのスタッフが皆で少しずつ髪を切ったのかしら、などと想像します。
例えば別れがあった時に女性が髪を短く切ってふたたび前を向くような、
象徴的なメッセージが込められていました。

 

FENDI(フェンディ)は、
幅32cm×長さ 154cmほどの、プリーツに折られた細長いポスターが。
まるで日本の和室の掛け軸のような大きさですが、
ダークカラーに、コレクションにも登場した、古代ローマ彫刻のモチーフがプリントされています。

今季、アーティスティック ディテクター キム・ジョーンズはコレクション制作にあたって、
メゾンの1984年のアーカイブのスケッチを紐解いていました。
そこに描かれていたのは、ブリッツ・キッズ(Blitz Kids)やニュー・ロマンティックス(New Romantics)等当時のユースカルチャーや、ワークウェア、
そして1980年代といえば、川久保玲さんや山本耀司さんら日本人デザイナーがパリへ進出し活躍していた時期。

コレクションには「チュッパチャプス」ホルダーも登場しましたが、
80年代のポップカルチャーと、ローマの古代芸術、そして和服風合わせのテーラード等、
いくつもの要素を掛け合わせた今季。
キム・ジョーンズの世界観が、招待状へさりげなく写し出されていました。

 



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