ミレニアル世代が大躍進!新星は誰??
2018年11月1日
ロンドンコレクション初日のことでした。
ショー会場に詰めかけるファッション界の人々の中で、ひときわ目立つ
ボリュームたっぷりなダークなフローラル柄の服があちこちに!
ロールスロイスでコレクションを回っている、
中国のブロガースージー・バブルもその一人でした。
決して大柄ではないにも関わらず、大きな分量に大きな花柄を描いたドレスを
着こなしていて、他の人に引けを取りません
「あの服はいったい??」と、一緒にいたロンドン在住のジャーナリストに聞いたら
「リチャード・クインよ」と即答。
前回の2月のロンドンファッションウィークの最終日、私はもうミラノに発つ準備と、
展示会を周り、あまり重要そうではない(失礼)コレクションはパスしていたのです。
何しろ例年のミラノは初日がグッチからスタートですから、気が抜けません
ですが、その日がリチャード・クインの第1回目のコレクションだったのです(涙)
しかも、エリザベス女王までご臨席という前代未聞のデビューショー、、、。
リチャード・クインはなんとデビューショーで、「英国クィーンエリザベス2世アワード」の
第一回受賞者となったのです。
なんとベースボールキャップにネルシャツ、スニーカーのいで立ち
周りの人が黒でドレッシーにしているのに対して、彼はなんとも無邪気な感じ
日本では羽生結弦選手が安倍首相に国民栄誉賞をもらった時でさえ礼服を着ていましたが
お国柄の違いでしょうか(笑)
リチャード・クインの画期的な点は商業的な計算がクリアにできる新世代というところです。
セントマーチンズ卒業後、大学院へ、その途中で「H&Mアワード」を受賞
その賞金5万ポンド(約650万円)で、プリンターを購入
リチャードは堅実にも、自分のプリンターで、テキスタイルビジネスをスタートし、
得意のフローラルプリントで、バーバリーのようなハイエンドのブランドから、
チャールズ・ジェフリー・ラバボーイのような新進ブランドまでをクライアントに持つ
プリントデザイナーとしてサイドビジネスをスタートさせ、そちらも大成功
まだ30歳というのに、、堅実すぎる、、‼️
これまで決していなかったタイプのクリエイターです。
その後もリバティロンドンやH&Mとのコラボを成功させ、
シグネチャーとなるフローラルプリントの取扱店舗は、クィーンエリザベス2世アワード受賞後は倍以上に増え、独特なダークでシュールなフローラルは世界中に拡散されつつあります。
2019年春夏も絶好調!トレンドの流れが春夏にも関わらずダークな花柄になってきたのも、リチャードの存在があってこそでしょう。
リチャード・クイン以外にも、イケてる若手が続々登場。
全員がミレニアル世代で30歳前後というのも、ある種脅威を感じます。
リアルで堅実、ロマンティックこういった特性を持ち、のびのびと個性を発揮して
時代のインフルエンサーとなりつつあります。
2017年のLVMHグランプリを受賞したマリーン・セル
「ルメール」のアーティスティックディレクターを務めながら、
自分のブランド「コシェ」を立ち上げたクリスタル・コシェは、パリのストリート感を映し出します。
LVMH特別賞受賞で、売り上げが2倍に伸びた、若くして大物感が漂うジャックムス
老舗パコラバンヌを見事に蘇らせたジュリアン・ドッセーナ
ケリング系列のアルテミスの傘下に入り、60年代のクレージュで「プラスチックよ、さようなら」といったヨランダ・ゾーベル
次のシーズンには、もっと活躍していること間違いなし!
あるいはどこかのビッグメゾンに引き抜かれて、再び話題になるかもしれません
何にしてもミレニアルは「恐るべき子供達」の世代に間違いないようです。
コレクショントレンドセミナーではこれらの若手を網羅しておりますので
是非、11/6(火)の最終公演をお楽しみください。