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90年代の甘い思い出 カルヴェン

2013年10月1日

デザイナーのギョーム・アンリの90年代は高校生時代
パリジャンではなく田舎の高校生だったギョームのドキドキする思い出は

廻りにいた同級生のクールな女の子たち

生意気で、蓮っ葉な様子をするけれど、実はとっても清潔感に溢れていて!
彼女達の、カジュアルだけど、ちょっとくずした着こなし
何とも言えずかっこ良く、
そのエッセンスがまず一つ目の2014年春夏のキーテーマになっています。

 

イメージガールは、90年代のドリュー・バリモア、ジュリエット・ルイス、リブ・タイラー
などがあげられています

もう20年前以上とは、、、、、! 昨日のようです。

日本ではジュリアナ東京が大流行していた時代
大きめの肩が落ちたジージャン、まるでボーイフレンドから借りたような大きいサイズを

わざと着たり、リバティ風の小花柄をさりげなく着こなしたり

そんなイメージがあちこちに散りばめられています。

当時は、グランジも大流行していたのですが、
その感覚は全くなくクリーンな点がカルヴェンガールの特徴です。

シャツやジージャン、小花がらの薄地にもデニムステッチが施されたり
細かいディテールと繊細な素材で表現されています。

デニムも大流行していましたし!

当時流行していたウエスタン感覚は、ベルトのようにウエストにビーズ刺繍が施されています。素材は張りのあるシャンタンやキャンバス

ギンガムの花柄アップリケもコートからドレスまで服のあちらこちらに施されています。
バッグや靴にも小花柄がたくさん!
素材は圧倒的にコットンが多く、そこにポリエスエルメッシュや
ジャカードが合わされていました。

もう一つのテーマはメゾンのアーカイブです。
1945年に創立されたオートクチュールメゾンのカルヴェンは50年代に黄金期を迎えます。

その当時を絶妙なアトリエの技術で再現した50年代風のコートなどは
美しいコクーン風のシルエットで、まさに大人のレディライクな雰囲気です。

構築的なシルエットでゴージャスなクチュールの世界と
カジュアルな気取らない女子高生の着こなしがミックスされた。

シンプルでいて洗練されたディテールに凝った
いつまでもうっとり見ていた
カルヴェンの世界です。



ドリス・ヴァン・ノッテン 絶品のゴールドとラッフル

2013年9月27日

前シーズン、国宝級の建造物オテル・ド・ビルでコレクションを開催した時
入場制限をしてしまい、招待状を持ってる人も、締めだされていました
その反省か、今回はセーヌ川のほとりにある大きな会場でのコレクションです。

みんなゆったりと座れ、遥か彼方からゆらゆらと現れるモデルに
何だかデビュー当時のドリスを思いだしてしまいました。
 

大きな会場の客席の向かい側には、きらきらと輝くゴールドが
日本の屏風のように
壁面を覆っています。

ファーストルックは白のドレスにゴールドの大きなラッフルがついた服!!!!

前回までの「フラワー」に代わって今回「ラッフル」が服を彩ります。
モダンな白の膝丈ドレスにのサイドとバックが大きなゴールドラッフルで縁取りされています

そのあとも得意のオーバーサイズのゆったりしたコートやトップスが続き
ドリスが大好きな
エスニックモチーフのボーダーやビーズフリンジのディテールが

トップスのヘムのあちこちに施されています。

まだ展示会に行っていないのですが
きっとそれぞれ意味のある装飾だと思います。 

早く聞きた~い!!

 

このところ継続している「フローラル」は黒地のサテンにロココ調の大きな花柄が描かれ
またジャカードも同じ柄でたくさん提案されています。

トップスが花、ボトムがジャカードという組み合わせが基本になっています
トップスを締めるのは「帯締め」のような細いベルト


お花柄は大きい簡潔なものか3Dのコサージュ
黒のニットにも大きなラッフルが横切り、先シーズンのオーストリッチを思わせる迫力です。

赤黒、ペールオークルに黒と黒はアクセントカラー
「3D」というキーワードは、ミラノでもたくさん出ていました。

モダンロマンス」と大きく見出しが躍ったドリス・ヴァン・ノッテンのコレクションは
もう観客の心をわしづかみです。

フィナーレには金箔が施された長いランウェをバックにモデルがずらりと並び
ギターのソロ演奏をバックに、ゆっくりと全てを見せてくれました。

これに続くニナ・リッチ、ランヴァンでも「白」と「キラキラ」が驚くほど多く
パリはパリ!!!!!!!という独特な感じです。


プラダ 壁画運動 ディエゴの世界

2013年9月26日

プラダのコレクションは、いつも新鮮な驚きと圧倒的な刺激を与えてくれます
今回はいつもの会場に入ると、壁面に描かれた大きな顔が出迎えてくれました。

メキシコの画家ディエゴ・リヴェラ(フリーダ・カーロの夫としても有名ですが、
メキシコを代表する画家)にインスピレーションを得た今回のコレクションでは

6人の画家とコラボ
した壁に描かれたに「顔」が主役です。

メキシコ風アニメの主人公風オリエンタルタッチなどバラエティに富んだ
顔ぶれが服にも登場しました。

カラフルな配色に大きく描かれた顔が迫ってくるドレス!
迫力満点!

着るというより、コレクションピースとして
飾っておきたいほど、アーティスティック


春夏にも関わらず、ミンクのコートもたくさんカラフルに提案されました
レッグウエア
もカラフル

中に着ているジャージーのセーターにはスポーツラインがアクセントに使われ
基本のコーディネートはリアルクローズです。

スプリングコートにジャンパードレスに膝丈スカート、
今回は重ね着がコーディネートのキーワードです。

そこにカラフルなバッグ、レッグウエア、シューズが組み合わされ
とてつもない、重層的なハーモニーが生み出されます

とびきり美味しいご飯を食べて、
心も体も満足なそんな満ち足りた気分になったコレクションでした。


バーバリープローサム「英国のバラ」はピンク色

2013年9月24日

ケンジントン公園に建てられた大きなテント
バーバリープローサムのテントに演出ではなく本当に雨が降りました。

バーバリープローサムのコレクションは、規模の大きさでも
ロンドンファッションウィーク随一ですが、セレブリティの華やかさでも群を抜いています。

今回もぐっと痩せて若返ったサマンサ・キャメロン(彼女はウイリアムとケイトの結婚式でも
バーバリーを着ていました)、はオレンジのフレアースカートをはいてモダンなコー ディネート。

ケイト・モスの元恋人のミュージシャンのジェレミー・ヒギンスや、
ワンダイレクションのハリー・スタイルズ

ハリーと22歳の年の差を乗り越え熱愛中のシエナ・ミラーなどが
フロントローいずらりと並んで、華やかな雰囲気が漂います。

ヘラルドトリビューンのご意見番スージー・メンキスなど
コレクションに必要な顔ぶれがずらりと揃いだすのも
バーバリープローサムだからです

バーバリーのショーでは、お客さまもコレクションピースを着こなしていて
客席を見ているだけでも、楽しさ倍増です。

コレクションは「英国のバラ
ちょうど街中にシエナ・ミラー主演の「ダイアナ」が封切られていて
タイミング的にも、諸説ありますがジャストな感じです。

「ジェントル」「テンダー」「ロマンティック」をキーワードに
女らしさ満開の、ピンクやコーラルカラー、ややオーバーサイズ気味の
リラックスした着こなしがステージを彩りました。

 


マーカス・ルプファーと90年代のMTV

2013年9月18日

マーカスの2014年春夏のテーマは「90年初頭のMTV世代」にアイディアを取った
ノスタルジックで遊び心に溢れたものでした。

ティーンエイジャーの女の子のお部屋を舞台に、思い思いの花柄の服に身を包んだ女の子がPCをいじったり、ベッドに寝転んでくすくす内緒話をしたり、ギターを弾いたりしている見ているだけで、可愛くてほほえましくなるような演出でした




服は基本的には花柄
モノトーンからカラフルな花柄まで、主役は「ダリア
写真の転写を用いて、コラージュしたり、大きくパネル柄に使ったりとさまざまですが

白を基調とした配色は清潔感があって、どれをとってもまさにこの春のトレンド満載 

大きなレースのパネルドレスもあって、シンプルだけど華やかさが漂います

マーカスらしいユーモラスなイラストが描かれたニットやジャージーもアクセントのように飾られていました! 可愛い!!

プレゼンテーションは、ついつい見入ってしまい、時間がたつのを忘れてしまいます
次のJWアンダーソンに急がねば!!!

 


トップショップが後援 ソフィアの世界

ロンドンコレクションで、いつも注目されるのは、次世代の新人です
トップショップの後援があれば輝かしい未来が約束されたも同然!!
だからトップショップからの招待状は是非ものが多いので、見逃がせません

今回はセントマーティンの卒業時から、
注目を集めていた
ソフィアウェブスターSOPHIA WEBSTERがバックアップされています。

リージェント大学の庭園にテントを張って、
その中に夢のような幻想的な世界が繰り広げられました

ソフィアはシューズ&バッグのデザイナーです
アプローチから、花かごの中に靴が飾られ、蝶と花に彩られた夢の世界への入り口でした。

 




リージェント大学

ライブの歌声が流れる中、メリーゴーランドのようにステージを廻りながら、
思い切りアニメチックな三つ編み
モデルさんが身に着けたメッセージバッグや
アイディアいっぱいの靴をわくわく、デザイナーもコレクションとは違う
世界観を創造することができ、本当に価値のある時間でした。


それにしてもソフィア・ウェブスターの才能おそるべし!
自由に創造させたトップショップも懐が深いですね


チャーミングな英国娘オーラ・カイリー

2013年9月17日

オーラ・カイリーのプレゼンテーションは小さなギャラリーで開催されました。
場所が狭いので入れ替え制。

突然 町の中に行列ができるので、何人もの道行く人から
「これは何の行列なの?」と聞かれました。

すぐそばにホームレスのための炊き出しがあって、
見るからにそういう人がたくさんいる場所でもありますが

こちらは並んでる人たちが、あまりにも洒落男と洒落女なので違う意味で、
興味深々のようです。

狭い階段を上がると、もう人がいっぱいやっと上にある
オーラ・カイリー
SS14」が見えるだけ!

ステージは見えませんが、すぐそばを通るモデルはばっちりです。


ショー終了後にやっとステージが見えました。春の野原でスケッチしていたようですね。
オーラの清楚で可愛いモチーフにぴったりのシチュエーションです。


今回は、ナローなシルエットを主役にブラウスにミニスカート少女ぽいドレスなど、
オーラの個性を飛び切り生かしたシンプルでクリーンなコレクションでした。

ほとんどが巻き髪にベレー帽のなつかしのお嬢様スタイル コンサバな雰囲気に
ラブリー清潔感のある服がぴったりです。

オーラのコレクションは、ロンドンでも大人気ですが日本人も大好き!!
清潔感があって、着られる年齢層も広いし、 今季はベレー帽に巻き髪の
お嬢様スタイルなので好感度はいっそう高し!

オーラ・カイリ―では素敵なギフトア渡されました。
オーラ・カイリ―のトートバッグの中には香水(あったんですね!!)や iPhoneケースが!
早速使っている人がいたので激写


グルーピーの奔放さは可愛らしさの原点?

2013年5月7日

 2013/14秋冬コレクションを見ていて
一番強く感じられたのが、「知性」など本能を抑制する要素がキーワードから外れたことでした

ミニマリズムは、知性の同義語のように扱われていましたから
ミニマルも飽きられて終焉を迎えてきたのですね。

もはや「知性」や「自立」は当たり前で、
全てはそれを前提としてのファッションと言えるでしょう。

たくましさや自信に満ちながら、そうとは見せない(見えない)したたかさ。
計算されていない無邪気さにかなうものはありませんものね

その意味で、今一番気になっているのは60年代のグルーピー
コレクションでもプッチを始め、あの時代のファッションリーダーであり

サブカルチャーのヒロインであったグルーピーにアイディアをとっています
マリアンヌ・フェイスフルアニタ・パレンバーグパティ・ボイドなど

当時のローリングストーンズやビートルズを始めとするロックスター達を手玉に取った
可愛いくて、セクシーな自分に思いっきり自信を持った女の子達。 

生まれ持った容姿の美しさもあるにしても、「自分はとびきり可愛い!」という
自信がなにより彼女達を大胆に振る舞わせています。 

パティの履いているプッチ柄のホットパンツは可愛い
来年の春のトレンドにピッタリ

60年代のファッションアイコン達は今でも
ロンドンコレクションに行くと、フロントローにまっ赤なマキシドレスで賑やかに座っていたり
コレクションにモデルとして登場して大歓声を浴びたり、
オーガニックコスメの成功者として注目を浴びていたり

やっぱりこの時代の女性は半端じゃない強さと普遍性を感じさせます。

ロンドンが一番輝いていた時代のミューズですものね!!
それに、年齢なりに太って、たるんでいても整形なんかしていない(と思う)ところも
好感度高し。しわがあっても、可愛い感じも変わっていないというのが
天性の小悪魔なのでしょうか?

バーバリーの今シーズンのアイコンとなった、プロフューム事件のヒロイン
クリスティン・キーラー(左端)と写真家デビット・ベイリー、モデルのペネロペ・トゥリー
右端がマリアンヌ・フェイスフル、シースルーのチュニックが素敵です。

フリルやシースルー、プリント等を組み合わせ、小悪魔的なガーリッシュさで、セクシーさ全開にしていますが、健康的な若さもあって、チャーミングで新鮮!

もうミニマルではなく、ふわふわの羽根シースルーのフリル花のプリントにギャザーなど
ボリュームも、雰囲気も華やかな愛らしさに溢れています。

ミニのチュニックドレスもプリントでこんな感じは、60年代を今に置き換えた
シンプルさでとても魅力的!!

パティボイドはジョージハリスンの妻からエリック・クラプトンの妻へと変わり
名曲「レイラ」を捧げられた、うらやましいグルーピー

つば広のカプリーヌハットはエレガントというよりポップな感じ

ベルベットのジャケットにアフリカンなトライバルアクセサリーも今の気分です。


レースも重要 ちょっと70年代っぽいのですがレースやエスニック風のマキシドレスは
ロックフェスの花

黒も良いけれど白のエスニックドレスも素敵です。

 

2014年春夏は、久しぶりに可愛らしさと女らしさが全開、「女としての私」を理屈抜きに
強く打ち出す季節。グルーピー感覚を中心としながらもっとリラックスした流れ、
もっとゴージャス感を打ち出した流れが登場しそうです。

2014年春夏 FTFセミナーではグルーピーを始め4つのテーマを提案しています。
5月14、17日開催の2014春夏FTFセミナーの詳細・お申込みは下記URLから
http://f-fiori-cafe.com/?p=7781

 

 


トレンドのニューバランスは、チュニックニットで!

2013年4月17日

この秋の立ち上がりのニットの双璧と言えばチュニック丈のスリムなロングカーディガン
主役に据えたミュウミュウ
マルベリーのほどよいバルーン風シルエットが代表的です

ステラもこのシルエットのチュニックセーターをさらりとマキシスカートに合わせています

 

ミュウミュウはスリムなシルエットで、裾にたっぷりした
プリーツスカートがマーメイドのように揺れます。

マルベリーはふっくらしたシルエットに短いパンツが合わされますが
裾がややフレアーになっていて、ショートだけどカプリパンツではない新しい太さです。

もちろん1枚でドレスとして着てもOKですが、今シーズンは
ヘムラインの揺れる感じが女らしさを添えるので
ロング&ロングのバランスで着るのがベスト!

ステラは、このアシンメトリーに揺れるバイヤスのマーメイドスカートを
サイドキックスカート(歩くと足が触れて跳ねるので)」と呼んでいます。

 
チュニックは若い感覚でプレッピー風なデザインもあります
例えばトミーヒル・フィガーのグレンチェックをフロントに置いたセーターは
下にミニ丈のシャツドレスを着て可愛い着こなし!スリムなパンツでもOKです。

ぐっとシンプルでVラインが深い大人のニットドレスやカラーブロックで
足長効果を演出するドレスはバーバリープローサムです

ドレスばかりではなくセーターも今シーズンは豊作です。
へアリーなプレシャスヤーンがたくさん提案されていて、カシミアではなく

モヘアベビーアルパカが数多く提案されているのも、久しぶりのことです
見るからにふわふわに厚みのあるセーターは、暖かそう!!

ジル・サンダードリス・ヴァンノッテンのへアリーなセーター
エミリオ・プッチ
はモヘアの上にレザーテープを刺繍、独特な重厚さを醸し出しています。

スウェットタイプに見せたニットスーツはボッテガべネタ!大人のシックさです

セータースーツも今シーズンは結構目立ち、
レコパン
はカジュアルなニットスーツを幾つも提案しています。

ドルチェ&ガッバーナは、ボトムのホームスパンツィードと合わせて
ニットに
ツィードを転写したものを合わせています。

編み地で凹凸感を出したニットも多く
ペプラムまで付いた
バーバリープローサムの白いセーターは
まるでコード編みのニットをパッチワークしたようなブロッキングで構築的なフォルム。

マックスマーラはコートからカーディガン、セーターに至るまで
ケーブル編みが
レリーフのような立体に編み立てられています。

MSGMは、バルキーなループヤーンをびっしりと付けた3Dニット
上にボアコートを羽織り、ボリュームシルエットを演出しています。

パリのカルヴェンもケーブルやコード編み、レリーフ編みに
アイスクリームパステルを使って可愛いニットをたくさん提案しています。

「バーバパパ(フランスの漫画)」のイメージです。

ニットも持っていない物が多くて、可愛い物ばかり!
私としては、モヘア使いのふんわりニットが狙い目かな?

ジル・サンダーか、エミリオ・プッチか?
またまた悩みが増えてゆきます

半年毎に廻ってくるこの悩み、、、エンドレスですね~(笑)


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