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この夏 東京で見つけた素敵なミュージアム

2017年8月23日

伊勢半本店 紅 ミュージアム
表参道を背にして歩くと、骨董通りが六本木通りに交差する少し手前にあります。
いつも通っていたのですが、「一体なんだろう!?」と思いつつ
閉店後の店内をウインドー越しにみたりしていましたが
なんと「」の美術館だったのです。
「紅花」から作られる日本伝統の「紅」を1825年(江戸 文政期)から
作り続けている、日本で現在ただ一つの「」の老舗伊勢半
紅と化粧にまつわるお道具を集めた珍しい美術館だったのでした。
紅花の花弁にわずか1%含まれる赤色色素を匠の技で「紅」に!
伝統の技を受け継ぐ匠は現在2人だけとか!
それだけでも、貴重です。
原料となる山形県の「最上紅花
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いろんな紅の種類が、作る工程や素敵な「和名」とともにディスプレイされています
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中に入ると丁寧に説明していただけます。
江戸時代の化粧道具もたくさん収集されていて
本当に次から次に面白いものばかり!
なんとコンパクトセットまで! ずいぶん位の高い女性用だったようです
浮世絵にもコンパクトで化粧直しする女性が描かれています。
浮世名異女図会(部分) 歌川国貞画 国立国会図書館
浮世名異女図会(部分) 歌川国貞画 国立国会図書館
懐中化粧道具・懐中鏡入れ1
櫛やはけと一緒にあったのは、なんと江戸時代のメイクアップブック!!
鼻を高くみせるメイクも指南されています。
昔からハウトゥは欠かせなかったんですね。
口紅の他には目弾き(めはじき)と耳、頰の三箇所がメイクのポイントです。
4a  都風俗化粧伝1
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当世美人合踊師匠(部分) 歌川国貞画 国立国会図書館
当世美人合踊師匠(部分) 歌川国貞画 国立国会図書館
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紅は磁器の盃に塗られて売られていたので
デザインも女らしく華やかな柄行きが目立ちます。
ミュージアム紅猪口③ 江戸時代後期の板紅2-1
それに純度が高い紅は高価で、何度も重ねると
口唇も玉虫色になるので、それを狙ってわざわざ安い紅でも
玉虫色に見せかける裏技なるものを
開発されたらしい、、、!
今でいうナンチャッテ笹紅、フェイク笹紅も庶民には出回ったらしいです。
※「笹紅」とは下唇を玉虫色に光り輝かせるメイク
この浮世絵の女性は、最上位の花魁なのでつけている玉虫色は高価な紅!
今様美人拾二景てごわそう・溪斎英泉3
お店にはこんな素敵なテスターも用意してあって、自分の唇にお試しすることもできます。
紅筆で好みの赤さになるまで塗ってゆきます
もうそれだけで優雅な雰囲気   紅さし指とは、薬指を指す粋な呼び名ですね。
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私がゲットしたのはこちら。
小町紅 手毬」と呼ばれる蓋つきの丸い小ぶりで手毬のように丸い容器がとっても可愛い!
自然な色ですが、落ちにくいので海外出張や長い会食の時、口紅の下につけておくと、
ほんのり紅が残ってくれるそうで、9月のコレクション取材に持参するつもり!
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外国の友人にプレゼントしても喜ばれそうですが、まずは自分に。
赤い巾着袋はバッグの中に入れて持ち歩けそう。
「紅」ミュージアムは、大きくはないけれど、じっくり見るものばかりで飽きません
お時間のあるときに是非、ご覧になってみてください
 
ついでながら、ここが出している「ミュージアム通信」をお店でいただきましたが、
毎号半端なく面白いんです !(◎_◎;)
歴史を紐解いているのですが、「トイレ」から「化粧水」まで!!!
いったいどんな人が編集企画を立てているのか、
新たな謎?!が生まれました
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近くに行かれた際は、日本の伝統「紅」の文化に触れてみてはいかかでしょうか?
株式会社伊勢半本店 紅ミュージアム
伊勢半本店 紅ミュージアム
所在地 :〒107-0062 東京都港区南青山6-6-20 K’s南青山ビル1F
TEL :03-5467-3735
開館時間 :10:00~18:00(入館は17:30まで)
※ただし、企画展開催中は開館時間に変更が生じる場合がございます。
休館日 :毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、翌日休館)、年末年始
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